
初心者向けの Rapid Application Development
チームの拡大にともない、ローコードやノーコードで、コスト効率が高く、本質的にアジャイルなソフトウェア開発ソリューションが必要になる場合があります。Rapid Application Development (RAD) は、そのようなソリューションの 1 つです。
RAD (Rapid Application Development) とは
1970 年代に考案され、1991 年に James Martin 氏によって正式に導入された RAD (Rapid Application Development) という手法では、クライアントからの継続的なフィードバックをともなう頻繁なイテレーションと承認によって、アプリケーションを迅速に開発することに専念します。アジャイルで迅速なプロトタイプのリリースを優先する RAD は、ソフトウェアの使いやすさ、ユーザーのフィードバック、さらに長期計画によるすばやい納品、カスタム アプリ のような構築要素に対する一元化した初期要件セットを重視します。より迅速で軽快なソフトウェア開発を実現する RAD の人気は、ますます高まっています。
RAD 手法の主要なメリットを次に示します。
- 開発時間と納期を短縮する。
- 柔軟性と適応力を強化する。
- リスク管理を改善する。
- 手動コーディングを軽減し、テスト時間を短縮する。
- 関連性が高いリアルタイムのユーザー フィードバックを定期的に実施する。
アジャイル、ウォーターフォール、RAD の開発メソッドを比較する
ソフトウェア開発には、主にアジャイル開発とウォーターフォール開発の 2 つの手法があります。従来のソフトウェア開発手法であるウォーターフォール開発では、顧客のサインオフに大きく依存する厳格な線形プロセスに重点が置かれます。このようなビルドは、クライアントが最終製品を見るまで数か月かかることがあり、要件の更新や追加のフィードバックによって多くの問題が発生し、プロジェクトに影響を及ぼします。また、ソフトウェアのコア機能や特徴の変更が困難になことがあります。
アジャイル開発は、従来の構造化管理手法の制約に対応して考案された、最も広く使用されている手法です。RAD はアジャイル手法の 1 つであり、リアルタイムの結果を提供でき、必要に応じて製品をすぐに納品したり、機能を更新したりする必要がある場合でもうまく機能します。速度が強調される一方、特定のタイムフレームには基づきません。RAD プロセスがユニークなのはプロセス駆動型であるためで、プロトタイプのテストや迅速な変更に重点を置き、より短い時間で高品質な製品を納品します。
RAD と アジャイル開発は類似した手順を共有していますが、RAD はプロトタイプに焦点を当てる一方、アジャイル開発はプロジェクトを機能に分割して開発サイクルのさまざなスプリントで納品します。
RAD (Rapid Application Development) の手順
RAD には、プロジェクトの完了に必要な 4 つのステップが定義されています。RAD の目的は、計画時間を削減し、製品の創出と作成に重点を置くことです。そのため、一部のステップを繰り返した場合でも、その結果はチームと関係者の両方が満足できる製品です。
- プロジェクト要件の定義。ここで、自分、開発者、ソフトウェア ユーザー、関係者などのプロジェクトに関わる全員で、プロジェクトのスコープと要件 (目標、期待、タイムライン、予算など) を定義、調査し、完成させます。キックオフやクリエイティブ ブリーフを通じて、関係者は構想を提案し、IT の意思決定者や開発者は、それらのすべての要件をまとめる支援を行います。RAD 手法のメリットの 1 つは、要件で決定していても、開発サイクルのいつの時点でも方法を変更できることです。
- プロトタイプの作成。次に、チームでモデルとプロトタイプの作成を開始します。その目的は、関係者に提示する作業モデルを迅速に作成することです。開発者と設計者は協力して、それらが関係者の目標と要件を満たしているかを確認します。プロトタイプ作成の初期の段階で、開発者は品質を損なわずに作業成果物を生産するワークアラウンドを作成する機会があります。チームが作業成果物を作成する中で、ここでユーザー エクスペリエンス、テスト、およびフィードバックが重要な役割を果たします。
一貫したフィードバックは、抽象設計ではなく、ライブ システムにおけるチームワークを支援します。ストップギャップやバグに一貫して対処することで、要件を満たし、機能モデルに適合するように調整できます。つまり、プロセスの初期の段階でエラーが検出とデバッグが行われ、関係者のタイムラインにコミットし続けることができ、将来の設計追加に向けてプロジェクトの構造化が推進されます。 - 構築、テスト、フィードバックの反映。この段階で、作業用プロトタイプを作業モデルにします。開発者はユーザーからのフィードバックを収集して製品を作成します。アプリ構築ソフトウェア をプロセスに実装してアイデアに命を吹き込みます。アプリケーション コーディング、システム テスト、ユニット統合を実施することで、プロトタイプ システムとベータ システムを作業モデルに変換します。ローコード ツールと RAD (Rapid Application Development) ツールを使用することで、チームは変更にすばやく対応できます。
ソフトウェアとアプリケーションを徹底的にテストして問題を発見すると、関係者は変更を行ったり新しいアイデアを提供したりできます。プロトタイプ フェーズ中にリアルタイムでほとんどのエラーを発見し、すぐに調整できる RAD のメリットによって、大量のエラーが発生することはありません。関係者が満足する製品に仕上がったら、その製品は完成です。 - 最終処理と実装。最終ステージでは、最終製品の最適化されたバージョンを作成します。安定し、寿命を維持しやすいことに注意します。特徴、機能、および見栄えは、関係者と一緒に確定します。運用に移行されると、ユーザーは全面的なテストやトレーニングができます。これで、製品を関係者に提示する準備が整います。
次のプロジェクトで RAD ツールを使用するべきか判断する
RAD はすべてのプロジェクトに使用できるように思えるかもしれませんが、万能な解決策ではありません。次のプロジェクトに効率的な RAD 手法を実装する際は、立ち上げ前に特定の条件を満たす必要があります。RAD はアジャイルであり、ソフトウェア開発を強化できる一方で、作業成果物を可能な限り迅速に提供するために特定のビジネス要件を満たす必要があります。
以下の質問を行って、次のプロジェクトで RAD を使用するかどうかを決定しましょう。
- 関係者は RAD アプローチに進んで従いますか (積極的に実務に携わり、詳細なフィードバックを返す準備ができていますか)?
- この製品を、2、3か月以内に作成できますか?
- チームの開発者、プログラマー、およびデザイナーに、製品の納品期日を守れる十分な経験はありますか?
- 技術的なリスクは低いですか?
- RAD の実装に使用可能なツール、ソフトウェア、およびテクノロジはお持ちですか?
5 つの質問のすべての回答が「はい」の場合は、RAD を使用して新しい製品を正常に作成できます。
Microsoft Power Apps で次のアプリを作成する
RAD は、迅速なプロジェクトをこなす小規模なチームに最適な、新しい要件に簡単に適合できるツールです。市場には ノーコード アプリ ビルダー がいくつか存在しますが、ローコード ツールとして機能する Power Apps は、コラボレーションの合理化や専門の開発者と他の重要なチームメイトとの連携を推進し、ユーザーは思い通りにビジネス アプリケーションをカスタマイズできます。